このブログは私、院長が自ら書いているのですが、2週間に1度の更新を目指していましたが前回から随分と間が空いてしまいました😔
2月、3月は通常診療、発熱外来、コロナワクチンの対応に追われて本当に多忙でした。。連日来院数は100名超えで通院の皆様にも大変ご迷惑をおかけしています。
さて、そのような中でも来月からの新年度から始まる新たな試みを着々と準備しています。
簡潔にまとめますと来月から
1.毎週金曜日の午前は非常勤医師(循環器内科)による診療を開始します
2.毎月第2、第4木曜日は不整脈専門医による不整脈専門外来を開設します
3.毎週火曜日午前、木曜日、土曜日午前に管理栄養士が栄養指導を行います
1. 非常勤医師(循環器内科)による診療を開始
これまで、毎週金曜日午前は私院長が不在のため、副院長(消化器内科)による1診体制で診療を行っておりました。そのため、定期通院患者さんの診察に加えて内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)の検査を同時に行うことは時に困難であり、どうしても検査数を制限せざるを得ませんでした。
しかし、来月から循環器内科を専門とする非常勤医師が診療を行い2診体制となりますので、金曜午前であっても循環器疾患、消化器疾患、内視鏡検査に十分対応できます。金曜午前の非常勤の先生は大変優しくて素敵なDr.であり、いつも患者目線で親身になってくれる副院長との2診体制ではきっと心身ともに癒される外来になると思います。
(注) 写真はイメージであり本人ではありません
2. 不整脈専門医による不整脈専門外来を開設
一重に循環器といっても、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、心不全、不整脈、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心エコーなど専門分野に分かれており、近年ではカテーテル治療の目覚ましい進歩によりかつては薬でしか治療できなかった不整脈も、カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)により全例ではありませんが薬の内服が必要なくなるまで完治できる時代になりました。
以前のブログでも書いた通りコロナ禍で「動悸」を訴える患者さんが増えており、自律神経障害や精神的なストレス、更年期障害を原因とした動悸も多いのですが、不整脈が隠れている場合も実際に遭遇します。当院では5台の24時間Holter心電図をフル稼働して積極的に動悸の原因検索を行っており、機器の装着と結果説明の2回の来院だけですぐに結果が分かります。そこで不整脈が検出された場合、患者さんと相談の上で通常は薬の治療から開始しますが、若年であったり、不整脈の発症から間もない場合であったり、薬では十分に不整脈を抑えられない場合には上述したアブレーション治療による完治が日本の診療ガイドラインでも推奨されています。これまでは、紹介状を作成の上で、連携施設を受診して頂きアブレーションのための入院予定を立ててもらっていましたが、今後は不整脈専門外来から直接、連携施設でアブレーションを予定することができますので従来よりスムーズに治療が受けられます。
3. 管理栄養士による栄養指導
当院には高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝など食生活の乱れ、運動不足、肥満などを原因とするいわゆる「生活習慣病」の患者さんが多く来院されています。例えば高血圧一つとっても、頭痛などの症状を伴う場合、蛋白尿や心肥大、眼底出血などの合併症が出現している場合や、180/110mmHg以上のIII度高血圧の場合にはすぐに薬の治療が必要ですが、それ以外の場合は、6g/日以下の減塩、節酒、禁煙、有酸素運動で3-6ヵ月間は自宅で血圧を毎日測定しながら血圧が低下するかどうか経過観察期間を設けるのが通常です。
とはいえ、6g/日以下の減塩と言われても外食中心か自炊しているか、誰が食事の準備をしているか、何時に食べているか、毎日の食事のうちどんな習慣が塩分摂取過多になっているか様々であり本来は個別に食事内容・時間を詳しく聴取し、個々の生活リズム・食習慣に応じた減塩対策を講じなければなかなか血圧降下を達成するのは難しいです。
管理栄養士による個別栄養相談では、事前に「食習慣聞き取りシート」に記載してもらい、初回は60分間、2回目以降は30分間じっくりお話を聞いて個別の食習慣に応じた栄養指導を行います。「いつも塩分には気を付けているの」という方がよく「毎朝パンを食べてます」という患者さんは多いです。パンは「隠れ塩分」と言われ塩分が多く含まれており、食パン1枚にバター1個分塗ると合わせて約1.0gの食塩をとっていますので1日6gの減塩では1食2gが理想とすると、パン1枚で既に1食の半分の塩分を摂取していることになります。分かっているつもりでも「へーそうだったんだ!」という気づきから、血圧を下げることにつながりますので非常に重要なのです。ぜひ、この機会に一度は管理栄養士による栄養指導を受けてみてください。