ブログDIRECTOR'S BLOG

月~金曜日(木曜は9:00~12:30、土曜・日曜・祝日は休診)
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開院から5年目、納涼会を終えて

当院は今年4月で開院から5年目、昨年度から分院を設立し、こちらは開院1年目の節目の年となりました。

開院から今までずっと振り返ることなく突っ走ってきた感じで、先日、ようやくお盆休みで一息ついてささやかながら納涼会を開きました。

一次会は大通りビアガーデンであいにくの曇り空で蒸し暑い中でしたが生ビールを満喫しました。やっぱり外で飲むビールは最高です!!

二次会は「やきとり亀屋」さんを予約し、手作り湯豆腐から始まり、新鮮な馬刺し、タレが絶妙の鳥レバーなど、どの料理も絶品でついついお酒が進み、非常に楽しい会となりました。

あまりの美味しさに、ついついお酒が進んでしまいましたが☺ 思えば、5年前の開院の時は私と弟の2名の医師と看護師 3名、検査技師 1名、医療事務3名の9名からスタートしたクリニックでしたが、今では正職員、パート職員合わせて総勢60名と大所帯となりました。人数が多くなると普段なかなか忙しくてお互い話をしたことがない職員も多数おりましたので、スタッフの交流の場として、このような懇親会の場は改めて重要です。

さて、通常は6月から8月はクリニックは閑散期で、1年間の中では一番、患者さんの受診が少ないことが一般的です。しかし、今年は4月になっても季節外れのインフルエンザが流行し、新型コロナはだらだらと感染者が増え続け、さらに普通は子供に多い溶連菌感染が大人の間でも流行しました。

それに追い打ちをかけるように、6月1日から改定された診療報酬によって、生活習慣病患者さんへの療養計画書の作成と、同意書への署名が必須となり、本院・分院合わせて約3000名もの患者さん全員へ個別に書類を作成しサインをもらうという膨大な事務作業が発生しました。この作業のため通常より定期患者さんの待ち時間が長くなり通院の皆様には大変ご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。ただ、そのような状況の中でも、当院スタッフは本当に献身的にかつ計画的に書類作成を行っておりましたので、非常にスムーズに一連の作業を終えることができました。優秀なスタッフに囲まれ、自分は本当に幸せです。

この診療報酬改定はまだこれで終わりではなく、今後当院ではさらに段階的に以下の新たな加算対象となる取り組みを行ってまいります。

① 地域包括診療加算:2024年8月1日~

これは、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全、慢性腎臓病、認知症のうち2つ以上(複数)の病気をもつ高齢者に対し、以下の「かかりつけ医」としての診療を行います。
具体的には
  1. 他の医療機関で処方されたお薬の内容や服薬状況の確認、急にお薬が必要な時に24時間対応の薬局をご紹介します
  2. 予防接種や健康診断の結果に関するご相談を承り、必要に応じて専門の医療機関をご紹介します
  3. 介護保険の申請や利用に関するご相談を常時お受けします
  4. 急な発熱や体調不良時に対応し、診療時間外であっても患者さん・ご家族からの電話やメールによる問い合わせに対応します
  5. 必要時に提携の在宅専門クリニックが訪問診療・往診を行います

② 外来データ、リハビリデータ提出加算:2024年10月1日~(予定)

これは、高血圧、糖尿病、脂質異常症の三大生活習慣病の患者さん、あるいは心臓リハビリに通院されている患者さんが、実際にどのような合併症を有し、どのような薬物治療を受けて、どの程度、目標値まで管理できているか、そのような現実世界(リアルワールド)での診療実態を、電子カルテの情報を元にデータとしてまとめ、厚労省へ提出することで加算がつきます。海外ではこのような取り組みはとっくに行われておりますが、日本ではIT化が遅くデータ整備が遅れてきた歴史があり、まだまだ全国のクリニックでのデータ集積は不十分です。今後、生活習慣病診療やリハビリの質向上のため、解析の基礎となるデータベースが必須であり、当院は積極的にこのデータベース管理へ貢献して参ります。診療に関するデータは提出しますが、個人を特定する情報は一切取り扱いませんのでご安心下さい。

③ 抗菌薬適正使用体制加算:2024年10月1日~(予定)

これは、世界保健機構(WHO)が提案したAWaRe分類によって「Access抗菌薬」として分類された抗菌薬を使用することで、抗菌薬への耐性菌を減らすことができます。抗菌薬への耐性菌が増えればそれだけ、通常の抗菌薬では効かなくなりますので、治療が難しくなったり重症化するリスクが高まります。そこで、当院では使用する抗菌薬の使用状況を適時モニタリングし、耐性化の懸念が少ないAccess抗菌薬の使用をできるだけ選択し、耐性菌を減らす試みを行っています。


ただ短時間受診して、お薬をもらうだけが医療ではありません。

医療も医学も日進月歩であることから、常に新しいデータを集積し、その人に合ったより良い治療を選択することが重要です。そして、加齢に伴い身体機能が落ちてきた際には、医療だけでなく介護申請も行い、多職種がケアに参加し、かかりつけ医としての体制を整備することもクリニックにおける責務だと考えています。

開院から5年が経過しましたが、次の5年はさらに「医療の質向上」にスタッフ一同取り組んで参りますので、引き続き皆様のご理解・ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。