いよいよ今週末、11月16日(土)に当法人が幹事を務める日本心臓リハビリテーション学会 北海道支部地方会が北大学術交流会館(北8西5 8-1)にて開催されます。
今回の学会のテーマは「急増する高齢心不全を地域で診るための心臓リハビリテーション」としました。医学関係の学会(学術集会)は一派転機には大学病院や基幹病院が務めることが一般的ですが、今回は様々なご縁で当法人が主催することになり、私が大会長を拝命しました。
今回の学会に参加される主体は心臓リハビリテーションに従事する理学療法士さんになります。全道では234名が心臓リハビリテーション指導士に認定され、公表されていますが、そのうち本学会の事前登録では既に178名にお申し込み頂いており、北海道の心リハ指導士の76%が参加するという異例の参加率の高さで、注目度が伺えます。
ところで、最近、テレビなどで俳優や著名人が急死される原因として「心不全」の病名を聞くことも多くなっていませんか❓ 実際に高齢化とともに心不全患者は爆発的に増加しており、急な呼吸困難、息切れ、胸痛、あるいはむくみなどの症状で救急搬送される患者さんをどう地域で診ていくかが僅々の課題です。特に高齢者では一度心不全を発症し入院してしまうと、点滴治療などで心不全は良くなっても入院中の臥床や安静により身体機能が低下してしまうため、自宅に退院できずリハビリ入院を要したり、あるいはそれをきっかけにまた再入院してしまったりと負の連鎖で転げ落ちるように寿命が短くなります。
つまりは、心不全自体の発症をいかに予防するか、あるいは仮に発症してしまったとしても、心不全のより早期の段階で発見し、薬物治療を開始するとともに、心不全入院に備えて身体機能を維持しておくことが、クリニックとしては心不全の予後改善に繋がる重要な取り組みになります。
そこで当院では心不全の発症予防としてメディカルフィットネスや管理栄養士を中心に生活習慣病の管理に努めており、さらに早期の心不全あるいは心不全入院後の体力低下に対して外来での心臓リハビリテーションによって、体力の回復、再入院予防、さらには筋肉量の維持、QOLの改善など多面的な心臓リハビリの効果に期待して、高齢者中心に幅広い循環器疾患でリハビリテーションを展開しています。また、心臓リハビリは運動療法だけでなく、循環器疾患への理解やご自身で気を付けることで心不全徴候に早く気づき、対処する術(セルフケア)を身につけてもらうよう支援しています(療養指導)。これらの指導を専門とする「心不全療養指導士」が7名在籍しており、定期受診や運動療法の合間に‟スキマ療養指導”として、来院された時間を有効に使うよう工夫しています。
これらの取り組みは今回の学会期間中に「ランチョンセミナー」として、お昼の時間にお弁当を食べながら当院の心臓リハビリテーションの実際を動画や模擬患者によるプレゼンテーションでご紹介しますので、ぜひご参加される方は楽しみにしていてください。特に今回のランチョンセミナーはお弁当に力を入れました。お弁当はたま笹さんの京懐石が折詰された特製二段重仕出し弁当です。野村監督の御用達だったり、どさんこワイドにも取り上げられていますのでぜひこちらもお楽しみに!!
さらに、今回は多数の企業展示ブースを学会入口の広間に設置する予定です。最新の医療機器やリハビリ関連機器、遠隔心リハのアプリについての展示がありますので、ぜひこちらもお立ち寄りください。また、本学会にご協賛頂いた企業様、製薬会社様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
この企業展示ブースには当法人分院1FのHEART COFFEE (北37条西3丁目 3-12)がスタンドカフェとして出店する予定です。本学会に参加される方は参加証をご提示頂ければ、カフェで出しているコーヒーを何杯でも無料で提供しますのでこちらもぜひ、お楽しみに!!
この他にも九州大学九州大学病院 第一内科(血液・腫瘍・心血管内科 助教の稗田 道成 先生から「加齢に伴うHFpEF患者の心筋stiffnessと運動生理の関連」について、貴重な特別講演を賜ります。また、例年より多い20演題に渡る一般演題とYIA発表についても熱い議論が交わされます。
当法人にとってはおそらく最初で最後となる学術集会の幹事役ですので、持てる限り最大限の努力をもって必ず成功させるべく鋭意準備して参ります。
全道の心臓リハビリテーション関係者はぜひ、11月16日(土)に北海道学術交流会館へお越しください(学会ホームページ)