多忙のためブログ更新が前回からしばらくご無沙汰しておりました。ただ、毎日診療で追われながらも元気に頑張っています。
今日は、先日、分院で行った「救急シミュレーション」をご紹介したいと思います。当院は循環器科、消化器科、リハビリテーション科の3つを標榜していますが、特に循環器や心臓リハビリテーションでは、一刻を争い命に直結する急性心筋梗塞や重篤な不整脈をもつ患者さんを診療することも稀ではありません。私も開業して5年が経過しますが、一度だけ歩いて受診されてきた急性心筋梗塞の患者さんが、院内で重篤な不整脈を発症し、一時、心肺停止状態に近い状況になったことを経験しました。その時はさすがに焦りましたが、迅速に心臓マッサージや電気的除細動(いわゆる電気ショック)を施し、幸いにも一命を取り止め三次救急病院へ搬送し今ではその患者さんは元気に当院の外来を通院されています。
とはいえ、やはり日ごろの訓練なくしてはこのような緊急時に迅速に対処できません。ましてや、当院では医師や看護師だけでなく、分院1Fではカフェの従業員、2Fは歯科クリニック、医療事務や管理栄養士など、多くの職種が勤務されていますので、いつ、誰がそのような急変時に遭遇するか分かりりませんので、スタッフ全員が急変時に備えて訓練する必要があります。そこで、当院では1年に1回、必ず院内で患者さんが仮に急変したら、という救急シミュレーションを行っています。
全員が分院5Fに集まりました。今、自転車をこいでいる中央のスタッフが、これから急変して、自転車から崩れ落ちる、というところから訓練を開始します。
カフェスタッフなど医療従事者に関わらず、心臓マッサージに参加します。モニターやAEDをつけて致死性不整脈に対処しながら、心臓マッサージを全員で継続的に行い、必要に応じて救急薬品も使用します。
最後には、どこを修正すればもう少し迅速に対処できたか、どこが前回と比べて上手く動けたか、皆で検討し次回はさらに良い救命処置(ACLS)ができるようフィードバックしました。
当院のような入院ベッドがない、無床クリニックだからこそ、重篤な疾患による急変時には迅速かつ安全に患者さんを高度医療機関へと繋ぐ(搬送する)ことが求められています。それには、日ごろの訓練が欠かせません。かかりつけの患者さんが少しでも安心して通院できるよう、当院で勤務しているスタッフは職種に関係なくこのような訓練を定期的に行っていきます。
そして、そのような訓練や日々の研鑽の結果、嬉しい報告がありました。
本年度、当院のスタッフ3名が新たに心不全療養指導士に合格しました!!合格した3名は看護師2名、理学療法士1名です。皆さん、それぞれ本当に頑張って症例報告を記載し、試験に合格されました。改めておめでとうございます!! これから、この資格をいかに実臨床に生かしていくか、ご活躍を楽しみにしています。