5月30日 (日)に当院通院中の75歳以上の患者様のコロナワクチン接種を実施しました。
朝9:00~夕方17:00までで総勢380名という集団接種並みの人数をクリニックで実施するのはおそらく道内でも初めてではないかと思います。
当日は長椅子や丸椅子をレンタルし、十分なスペースの待機場所を確保しました。
スタッフは休日出勤にも関わらず朝8:00前から集合し、入念な準備をしています。ワクチンの準備は既に自分達を含む医療従事者の接種で経験しているので、手際よくかつミスの無いよう正確にワクチンを希釈し、注射器に詰めています。
受付はクリニック外で行い問診票の内容をチェックし、院内ではできるだけすぐに接種できるよう工夫しています。朝9:00からの接種を予定していましたが、15分前にはクリニック前に既に長蛇の列ができていました💦
コロナワクチンは一部に重篤なアレルギー反応を来す場合がありますので、接種後15分~30分間の経過観察が必要です。患者さんのアレルギー体質の有無により15分と30分の経過観察時間を分ける必要がありますが、当院看護師が考案したカードシステム(15分は青色カードを首から下げる、30分は黄色カード)が大変役に立ちました😊
また、100万回に5件に生じるとされている副反応(アナフィラキシーショック)に備えて、普段生理検査室として使用している部屋は緊急処置室に早変わりです。赤色のボックスがアドレナリンなどの循環作動薬を備えた救急カートです。
これらの入念な準備の下、ワクチン接種を開始しました。画面では分かりませんが、少しでも高齢者の皆様がリラックスできるよう院内は演歌のヒット曲を流しています😊ワクチンを打った後には多くの患者さんがほっとされ笑顔になっているのがとても印象的でした。そんな表情が私達が頑張る一番の糧になります。
15分や30分の経過観察を知らせるタイマーもあちらこちらと鳴って大忙しです。接種券に添付するシールだけでこれだけの数になりました。
見て頂いて分かるように受付から診察開始、ワクチン接種までほぼ5~10分以内という驚異的なスピードで接種ができました。スタッフ総勢13名で午前で180名、午後200名のペースで接種を滞りなく終了し、幸い副反応などの発生は一例もなく無事に終了しています。スタッフの結束力が一つの成果を成し遂げた証と感じました。また、報道されているのと違って問診に時間がかからないのは普段定期的に診察していて持病や健康状態を全て把握しているかかりつけ患者さんだからです。
今、こうしている間にも北海道や札幌市の感染拡大は続いており、医療体制も連日危機的な状況になっています。現在流行しているコロナウイルスは感染力の強い変異株にどんどん置き換わっており、緊急事態宣言などの人流抑制や個々の感染防御策だけでは太刀打ちできない状況です。
ワクチンをいかに早く多くの患者さんに接種することこそが、この危機的状況を打破する唯一の方法です。病院は救急患者や入院対応で手一杯の状況ですので、我々のような無床クリニックこそがこの大役を担うべきであり、かかりつけ医としての使命であると私は考えています。
医療従事者である私達は先に優先接種をさせてもらっていますので、今度は皆さんに恩返しする番です。当院通院中の患者様には一日でも早く、ワクチン接種が完了するよう休日問わずスタッフ一同全力で頑張ります‼