ブログDIRECTOR'S BLOG

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あまくない砂糖の話

いつもブログを見て頂きありがとうございます。たまには真面目な話ではなく、先日自宅で見た映画をご紹介します。

「あまくない砂糖の話」原題:『That Sugar Film』 →邦題の付け方もとてもウィットに富んでますね😊

2014年にオーストラリアで作られたドキュメンタリー映画です。

砂糖を取り続けると肥満や糖尿病になると言われています。本当にそうだろうか? 主人公はその身をもって実験したというのが本映画の趣旨です。

人間は平均で1日スプーン40杯分 (160g)の砂糖を取るそうです。しかもそれは一般的にヘルシーだと謳われている食品に多く含まれていることに誰も気づいていません。映画ではいかにも身体に悪そうなジャンクフード、甘いお菓子やジュースは極力控え、シリアル、低脂肪ヨーグルト、ビタミン飲料などの低脂質な食品を3食60日間摂取することで、1日スプーン40杯分換算の砂糖を摂取しました。ただし、1日の総摂取カロリーは2300kcalと、実験前の摂取カロリーと一定にして、筋トレや有酸素運動は実験前後で変えないようにしました。

すると、驚くことに実験開始12日目の時点で体重は3.2kg増加、60日間で8.5kg増加、特にウエスト周囲径が10cm増加(いわゆるメタボですね😊)、血中の中性脂肪上昇、脂肪肝による肝障害が現れ、顔に吹き出物が出て睡眠がから目覚めると砂糖が欲しくなる中毒症状、倦怠感や脱力感が出現しました。恐ろしいですね💦

砂糖(ショ糖)は体内でブドウ糖と果糖に分解され、ブドウ糖は主に肝臓でグリコーゲンや脂肪として蓄積され、一部は血糖として血中へ移行します。

血糖が上昇すると膵臓から分泌されたインスリンが作用し血糖を低下させますが、そのブドウ糖はインスリンによって筋肉や脂肪組織へと取り込まれ、筋グリコーゲンや脂肪として蓄えられます。一方、果糖は果物に含まれる糖ですが、自然界にとって貴重であったが故かほとんどが肝臓で代謝され、中性脂肪などに変換されて肝臓へ蓄積するため脂肪肝になりやすいと言われています。しかも果糖はインスリン分泌を刺激しにくいため、いくら摂っても満腹感を感じにくくつい取り過ぎてしまうのです。

映画では特に果糖を多く含んだ「異性化糖」の危険性を訴えていました。異性化糖は誰もが美味しいと感じるヨーグルト、炭酸飲料だけでなく、ノンオイルドレッシングや焼き肉のたれ、お鍋のスープの素、納豆のタレ、みりん風調味料などにも広く使われており、安価だが甘さを強く感じるため多用されています。上述したように肝臓で中性脂肪に変換されるため脂肪肝になりやすいだけでなく、タンパク質と結びついて終末糖化産物(AGEs)へ合成されやすいと言われており、AGEsは血管をはじめ肌や髪、骨など全身に蓄積し、動脈硬化や老化を進行させます。

ペプシやコカ・コーラなどの大手企業はこれらの人工甘味料の量を61段階にも分けて試飲テストを実施し、最も売り上げが伸びかつ甘味を感じる最適点を日々模索しているそうです。そういえばカナダにいたときに健康志向だということでスムージーが大流行りでしたが、あれも今考えれば果糖の塊で、桃4個、ライム9個、レモンとイチゴを30個ずつ含まれたスムージーだと糖分139g (スプーン34杯分)がギュッと詰まっているそうですよ😆

つまりは、この映画は日常の特にヘルシー食品に含まれる『意識していない糖』の過剰摂取がどれほど恐ろしいかということを訴えた作品と思います。

これを日本に置き換えて考えますと、そもそも日本人はお米を主食としており、お米は多糖類ではありますが最終的にはブドウ糖になるということ、和食では多くが料理の過程に砂糖を用いること、さらに近年流行している低カロリーや低脂質を謳う食品は味が物足りなくなるためそれをカバーするのに「異性化糖」を多く含むことなどには十分気を付ける必要がありますね。少なくとも、果糖や異性化糖が多く含まれる果物・野菜ジュースやタレ、ヨーグルト、グラノーラなど、強く甘みのある加工食品はダイエットの天敵と言えます。そういう流れもあってか、糖質制限ダイエットの流行につながったのかなと感じました。確かに糖質制限ダイエットは一過性には数kg体重は減少しますし、短期的な血糖の改善効果も認められます。けれど、その代わり脂質を取り過ぎてしまう傾向があります。実際に私も過去に糖質制限を1年間くらいやった経験があります。お米やパン、麺類はほとんど摂取せず、代わりにステーキや空揚げ、マヨネーズをかけたサラダばかり食べていました。しかし、3kg程度減量できたのは最初の1ヵ月。その後は停滞し体重も徐々にリバウンドしてしまいました。何よりこの時は食事制限に加えてジョギングしたり、努力した割には全然体型が変わらなかったです。


そこで、今年の2月から新たな試みをしました。それは自宅での筋トレ+食事制限(高たんぱく、低脂質、炭水化物は適量)によるダイエットです。結局、(総摂取カロリー)―(消費カロリー)の差がプラスになれば肥満になりますし、マイナスになれば減量できます。消費カロリーは基礎代謝 (1500kcal程度)が大部分を占め、それに運動で消費したカロリーが200-300kcal程度が追加されます。摂取カロリーが一定だとして、消費カロリーを増やすには有酸素運動で200-300kcal (30-40分のジョギング)を毎日行うよりも、週3回30分程度の筋トレをして筋肉1kgが増えるごとに50kcal/日の基礎代謝が増加すれば、毎日自動的に基礎代謝としてのカロリー消費が増えるため、楽にカロリー消費を稼げるだけでなく、何より時短になります😊 さらに、筋トレを中心に食事を考えると、筋肉がつきやすい食事は最低1日3食、高たんぱく、低脂質、そして炭水化物は特に夜などは控えめにするが総摂取カロリーの調整役として使うと良いでしょう。一般的に、筋トレを主眼においた食事療法はタンパク質、脂質、炭水化物の比率を4:2:4にすると良いと言われています。タンパク質と炭水化物はそれぞれ1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalですから、例えば総摂取量1500kcalを目指すのであれば、タンパク質は600kcal (150g)、脂質は300kcal (30g)、炭水化物を600kcal (150g)摂取すれば良いことになります。このあたり、ご自身がタンパク質、脂質、炭水化物を日々どの程度摂取しているか、まずは「見える化」する必要がありますので、ぜひ『あすけん』というアプリをお勧めします。摂取した食品をカメラで撮影するか、食品名をアプリで検索すると、摂取した食品の総カロリー数だけでなく、タンパク質、脂質、炭水化物の割合(PFC ratio)がすぐに分かりますよ😊

1日150gのタンパク質は納豆で8g、生卵で7gですから、到底食事だけでは実現できません。そこで、お昼にプロテインを追加します。僕はChoiceという会社からのプロテインを好んで飲んでいます。スプーン3杯で約30gのタンパク質を水に溶かして飲むことでタンパク質の摂取量を簡単に増やすことができます。

さらに、鳥の胸肉には動物性タンパク質を多く含有し、かつ脂質が少ない(脂身は捨てる)ので、低温調理器を使用して鳥ハムにして食べています。一度低温調理された鳥ハムを食べると、コンビニのサラダチキンは食べられなくなるほど美味ですよ😊

鳥ハムは作り置きして冷蔵庫に入れておけば、好きな時に食事に加えることができて便利です。例えば今夜の僕の食事はこんな感じで作り置いておいた鳥ハム主体に納豆ご飯、もやし、発酵食品のキムチ、めかぶ(タンパク質ばかりだと便秘になるから)で低脂質・高たんぱくメニューが完成します。

また、ある日のランチでは蒸した鶏むね肉とトマト、かにかま(高たんぱくの代表)、野菜でヘルシーかつ高たんぱくな食事に心がけています😊


こんな食事制限と自宅での軽い筋トレを週3回を約4か月間続けた結果、先ほどの映画ほどではないですが、身体が劇的に変化し体重は74kg→65kg (-9kg)、体脂肪率 28%→22%、ウエスト周囲径 86cmから79cmと減量に成功しました!!  これは高校生の時と同じ体重です。筋量も少しついたように思います。

高血圧や糖尿病、脂肪肝はいずれも肥満がきっかけで悪化する可能性がある生活習慣病です。

ぜひ皆さんも高たんぱく、低脂質、軽い低糖質と筋トレを実践され、減量によって生活習慣病を克服しましょう!!