以前のブログでもご紹介した通り、来年4月3日に札幌市北区北37条西3丁目3-12 の地に、当院の分院「あさぶハート・心リハクリニック」が開院します。
分院は5F建てで、その内訳は
1F カフェ(HEART COFFEE)
2F 歯科クリニック (あさぶハート・デンタルクリニック)、栄養相談室
3F 循環器内科クリニック
4F スタッフルーム
5F 心臓リハビリテーション室、メディカルフィットネス
に分かれます。
4年前に当院は、北40条西4丁目 ASABU LAND 1Fに循環器内科・消化器内科・一般内科の無床診療所(クリニック)として開院しました。それまでは北海道大学病院に勤務しており予定していた開業ではなかったため、開院までは本当にドタバタで、前日までボールペンや脱衣かごなどスーパーに買い出しに行くなど準備に追われました。
開院後当初はホームページを見た比較的若年の患者さんが立ち寄られたり、大学時代のアイスホッケー部の先輩医師からご紹介頂いたり、北大病院の外来患者さんが継続して通院されたり、近隣の医療機関が閉院に伴い当院へ受診されたり、様々な ご縁で受診頂いて少しずつ当院のことを知ってもらいそこから徐々に近隣住民に知られるようになりました。
本当に嬉しいことに今では麻生近郊はもとより、地下鉄南北線を利用して中央区や時には南区からも患者さんが来院されるようになり、毎日ワクチンや発熱外来を含めて100-150名の患者さんが来院されています。
ただ、ドクターは小生と弟(副院長)、非常勤医師2名と限られており、また、当院60坪の敷地はスペース的にも決して広いとは言えませんので、どんなに待ち時間がないよう工夫しても時に大変混雑してしまいます。また、お一人とゆっくりお話しする時間も限られてしまいます。
病院というと、やっぱり緊張してしまったり、何か自分が大病を患っている気持ちにさせてしまう空間というイメージですが、私はクリニックは自宅と病院の中間的な立ち位置で、病院よりできるだけ気軽に相談・受診できて、かつ自宅にいるより有用な情報やプロフェッショナルによる的確な診断、アドバイスを受けられる施設でありたいと思っています。
そうあるためには、今のクリニックだけでは明らかにキャパオーバーであり、すぐ近くに十分なスペースと各領域のプロフェッショナルが揃った新たな分院が必要であると思い立ちました。
分院では、健診や日頃の定期通院でクリニックに立ち寄ったついでに「食事について相談できる」「歯のクリーニングや歯周病ケアができる」「運動機器を使ってトレーニングできる」「ワクチンや健康に関する新しい情報が得られる」「診察待ちがてらほっと一息美味しいコーヒーやお茶菓子を楽しめる」
このような機会をたくさん作りたいと思っています。つまりはクリニックへの受診が薬を取りに行かなくてはならない面倒でストレスな時間ではなく、行く前から楽しみでつい予定より早く来て長居してしまう空間に変えたいというのが分院を開院する大きな理由です。
1Fのカフェ (HEART COFFEE)はまさにこのようなコンセプトを最も顕著に表した空間になるようデザインして頂きました。
カフェのコンセプトは「訪れる患者さんの‟根”となるようなカフェ」
植物が根から養分や水分を吸って栄養を蓄え、生き生きとした葉や花を咲かせるように
このカフェが患者さんの心の根となることで安心できるような、心身共に健康でリラックスできる空間でありたい。
デザインは、視覚・触覚・味覚・臭覚・聴覚の五感に訴え心地よいと感じる、有機的なディティールやマテリアルで空間を構成したい。
このようなコンセプトを表した待合室兼カフェ「HEART COFFEE」のロゴは「花のように明るくのびやかに」「心地の良い空間」に患者さんを導くようデザインされています。
もう一つ、このロゴの「重なるハートの花びら」には、心臓病の患者さんとそれ以外の患者さんやご家族を分け隔てなく寄り添うという意味が込められているそうです。
デザインの持つ力って凄いとただただ感銘を受けます。
現在少しずつ、しかし着実に、分院の建築工事は進んでいます。今回は待合室兼カフェの「HEART COFFEE」をご紹介しましたが、また次の機会に歯科部門、リハビリテーション部門、クリニック部門をご紹介しますのでどうかご期待下さい。