ブログDIRECTOR'S BLOG

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日本心不全学会に参加しました

広島で開催された第23回日本心不全学会に参加してきました。
テーマが「心不全に放つ3本の矢」ということで、増え続ける高齢者心不全においてチーム医療の重要性を改めて啓蒙する意図が伺えます。

高齢化とともに心不全患者数は増え続けています。心不全は決して単一の症候群ではなく、幾つかのパターンがあります。高齢者では心臓のポンプ機能が保たれているのに心不全になるパターンが多く、そこには血管や筋肉の異常、はたまた呼吸器疾患、糖尿病、肥満、高血圧など様々な心臓外の要因も絡んで心不全になります。心臓のポンプ機能が悪い心不全には有効な薬剤がありますが、高齢者がかかりやすい心臓のポンプ機能が保たれた心不全には有効な治療法が確立されていません。

だからこそ、薬で治療するというよりもトータルで「ケア」することで心不全を悪くする要因を管理する、あるいは予防することが重要となります。そのためには多職種、さらにはご本人・ご家族・取り巻く社会がチームを組んで取り組む必要があります。

ある先生の言葉が心に残りました。
「心不全診療で重要なことはローテクを駆使して患者を癒すこと」

その通りだと思います。まだまだ人間が分からない病気、治らない病気がたくさんあります。けれども患者さんを「癒すこと」は努力次第でいつでも誰でもできます。「癒し」に最新の医療機器は必要ありません。笑顔で挨拶し、よく観察して聴診して脈を触診する。五感を総動員して患者さんの訴えに傾聴し病気を詳しく知ろうとする、その行為そのものです。

当院のスタッフは少しでも患者さんの「癒し」になるようこれからも努力して参ります。

今回、人生で初めて広島に訪れ原爆ドームや平和記念資料館を見て回りました。事実は知っていたつもりでしたが実際に見ると大きな衝撃を受けました。何も言葉が出てきません。
今を一生懸命に生きる、為すべきことを精一杯やる。そう強く感じました。

広島風お好み焼きも堪能しました。これだけでお腹いっぱい、活力が湧いてきます。
今回学会で得た知見をぜひ明日からの診療に生かそうと思います。